I'm Stuttering

自分は周囲の人と違う事で生き苦しさを感じた事はあるだろうか。

 

仏陀は生きる事はそもそも苦しみを伴うのだと説いている。

四苦八苦、生きている限り、苦しみや傷つくことからは逃れられない。人は常に死の恐怖と隣り合わせで生きていかなければならない。そんな不条理な世界だからこそ、人々は助け合っていく必要がある。

 

先日友人2人と渋谷で久しぶりに飲んだ。20歳ぐらいから付き合いがあるからもう10年近くになる。最近は体調も大分落ち着いてきたから色んな人に会っている。
その時に自分の病気のことを話すようにしている。中々抵抗があるけれど、今後も友人として付き合っていくなら迷惑がかかる可能性がある以上、カミングアウトする事に決めた。

 

今回もそうだ。でも迷っていた。せっかくのお酒の席で、2人は楽しい時間を過ごしたいはずだ。こんな事を話すには重すぎる。楽しい雰囲気が台無しになるのではないか。ただ話の流れで、今ここで言うしかないと。腹を括った。

 

 

「俺は発達障害があるんです」と。

 

 

二人は、表情も変えずに真剣に聞いてくれて、受け止めてくれたんだ。凄く嬉しかった。この日の事は一生忘れないだろう。

 

具体的な病名はその時話さなかったけれど、吃音症という、言葉が流暢に話す事が出来ない疾病だ。あまり知名度は高くなかったけど、最近は押見修造さんの漫画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」とか、映画「英国王のスピーチ」のような吃音を題材にした作品が世に出たおかげで、割とポピュラーになってきた。

最近のニュースだけど、自殺した製薬会社の若い新卒の子も吃音だった。こんな形で世の中に伝わるのは最悪だ。

 

吃音者は100人に1人くらいの割合でいるみたいだけど、今まで2人しか見たことない。マイノリティな存在である事には間違いない。

 

友達は言われてもそんなようには見えないと驚かれる。友達といる時は、リラックスしているからあまり症状は出ない。酷い時はあまり話さないようにしているから気づかないのもあるだろう。

 

面接、プレゼン、電話やメニューの注文とか以外なら、波はあるけどあまり問題はない。高校生までは酷かったから、大人になって少し改善したのだと思う。読モの時に色んな人と話したり、接客業のバイトをやってきたのが良かったのかもしれない。

 

人は誰でも苦手な事がある。完璧な人はいない。自分は障がいとは言え、たまたま話す事が苦手なだけだ。でもほとんどの人が出来る当たり前の事が、自分には出来ない。それが凄く悔しくて、そういう自分を変えたくて必死にもがいていたら、身体が追いつかなくなってしまった。

 

自分以外にも一定数そういう人がいる。例えば、LGBTに対する偏見を減らすために、多様性のある社会を作ろうと色々な取り組みをしている。でもまだまだ時間が掛かる事だ。マイノリティに寛大じゃないことは分かってる。

 

こういう事を話すのは当事者にとって勇気がいる。わざわざインスタにURLを貼ると言う事は、不特定多数の人や、勿論知人も見るだろう。それを知った上で言う事を決めた。

 

みんな色々な事を背負って生きている。自分だけじゃない。きっと同じような悩みを抱えてる人達が行き場を失って塞ぎ込んでいたり、苦しんでいて生き辛さを感じていたら一人じゃねえぞって事を言いたかったんだ。周りには沢山の仲間がいるんだってことを忘れないで。きっと君の助けになってくれる。

 

言いにくいこともあるかもしれない。でも、想いはしまっておくものじゃなくて、出すものなんだ。話す事で楽になれる事がある。

完全に理解されるのは無理だけど、受け止めてくれる人は必ずいる。溜め込めすぎると、その想いは憎悪に変わる事があるから良くない。

 

また、複雑な家庭環境で育った人もいるだろう。DV持ちの親とか、片親、離婚したとか、色んなバックグラウンドで育った人がいる。それだけで偏見や差別にあった事もあるだろう。

 

おれも散々言われた。面接では
「君はもっとしっかり話せないの」「そんなんで働けるの」と。

いつも面接では言葉を出すのに苦労した。「1分間で自己紹介をしてください」なんて言われた時は最悪だ。おれはエサを欲しがる犬のようにアウアウ言う。
そういう姿を面接官はにやにやして見つめる。その度にお前の年齢の時は何倍も稼いでやるからなといつも心の中で叫んでいたんだ。

 

でもこういう人たちは凄く強い。劣等感を糧に努力をして、受験、就活、あらゆる所で結果を出してきたんだと思う。でも、頑張りすぎるとある日急に崩れてしまう。だから、劣等感を昇華させることも大事だけど、頑張っている自分を許して、認めてあげてほしいんだ。もう頑張らなくて良いんだと。そうしないと、終わりが見えなくなって生き辛くなってしまうから。

 

 

体調は悪くない。まだ万全とか言えないけど、何とか生活は出来る。メンタルコントロールとかストレスケアも上手く出来るようになってきたから、もう以前のように追い詰めることもなくなるだろう。やりたい事も沢山ある。凄く良い事だ。

 

早く仕事をしたいし、普通の生活に戻りたいから、就活を始める。でも面接がある。避けて通れないものだ。面接は吃音者にとって一番の障壁だ。どうなるかは分からない。また上手く行かないかもしれない。

 

だけどもう大丈夫。おれの周りには仲間がいるんだ。今までは一人で何とかしようとしてきた。でも今はつまずいたら、仲間がいる。相談だって出来る。一人じゃないんだ。ダメでも、他の生き方を考えれば良い。この選択がベストかわからないけど、おれはやれる事をやるよ。

 

凄く友達に助けられた。病気なんて大した事じゃない。小さな事だ。自分は自分なんだって事を教えてくれた。生きてれば本当に色々な事がある。おれも辛い人がいたら手を差し伸べられる人間になる。頼られるような人になるんだ。

 

peace

 

https://anond.hatelabo.jp/20170615135046 

そしてこういう事を書く奴がいる。
ネットの利便性の一つは匿名で発信出来る事だ。
自分の意見を発する事は大事だ。こっちも参考になる。
この人の言うことも間違ってないけど、
おれはこういう奴らには絶対負けない。